×

中長期目標と実績

環境ブランド

SUZUKI GREEN

環境に対する理念や基本方針を定めた『スズキ地球環境憲章』の実現に向けて、環境方針、次世代環境技術および環境活動などの取り組みを明確にし、社内外に広くアピールする環境ブランドSUZUKI GREENを導入しています。

SUZUKI GREEN Policy

スズキの環境に対する政策や方針を表す環境計画や各種ガイドラインなど

SUZUKI GREEN Tecnology

スズキが開発し、製品に活かしている次世代環境技術

SUZUKI GREEN Activity

スズキの環境に対する理念を実現するための取り組み、活動

スズキ地球環境憲章(2002年策定、2006年改訂)

環境理念

美しい地球と豊かな社会を次の世代に引き継いでいくために、一人ひとりの行動が地球の未来を左右する大きな力を持つことを自覚し、地球環境保全に取り組んでいきます。

環境基本方針
  • 環境法規を遵守し、自主基準の運用を推進します。
  • 事業活動および製品の環境負荷を積極的に低減します。
  • 環境管理体制を整備し、継続的に改善していきます。
  • 環境コミュニケーションを積極的に推進します。

スズキグループの環境組織

スズキは、グループ全体の環境管理を目的として、取締役会直下に経営・業務執行会議である「カーボンニュートラル推進会議」「環境委員会」を設置しています。
取締役会は「カーボンニュートラル推進会議」「環境委員会」に対して指示・監督を行うとともに、両会議体からの報告を受け最終的な意思決定を行います。
「カーボンニュートラル推進会議」は気候変動(カーボンニュートラル)にテーマを絞り、より機動的に会議運営ができるように毎月1回、脱炭素に向けた集中審議を行っています。「環境委員会」は、会社全体の環境管理をテーマに年2回開催しています。
二つの会議体のテーマを明確に分けることで会議の実効性を高め、脱炭素に向けた意思決定を一層加速させています。

(2025年6月現在)

スズキ環境ビジョン2050 ~小さく、少なく、軽く、短く、美しく~

「小・少・軽・短・美」は、スズキが1990年代はじめから掲げるものづくりの根幹を表す標語です。気候変動や水不足、資源の枯渇などといった地球規模の環境課題に対する取り組みにも、「小・少・軽・短・美」の理念が当てはまると考えます。
2020年に創立100周年を迎えたスズキは、次の100年も社会に貢献し、世界中で愛され、信頼されるスズキを目指して、2050年に向けた羅針盤となる「スズキ環境ビジョン2050」を定めました。
事業活動から生じる環境影響を「小さく」「少なく」し、地球環境に与える負荷を「軽く」していくこと。さまざまな環境課題の解決に費やす時間を「短く」すること。そして、地球がいつまでも豊かで「美しく」あること。「小・少・軽・短・美」の理念に基づき、スズキが描く未来の実現を目指していきます。

スズキの環境戦略の全体像

これまでスズキでは、5年ごとに「スズキ環境計画」を策定し、環境取り組みの推進とPDCAを通じた継続的な改善を行ってきました。
今後も引き続き「スズキ環境ビジョン2050/マイルストーン2030」の達成に向け、バックキャストで短期目標を設定し取り組みを推進していきます。

スズキの環境目標

テーマ スズキ環境計画2025 マイルストーン2030 スズキ環境ビジョン2050
気候変動 製品CO2
  • 製品から排出されるCO2量の削減
    (四輪)2010年度比 30%削減
    (二輪)2010年度比 15%削減
    (船外機)2010年度比 15%削減
  • 2030年までに、Well to Wheel で新車四輪車が排出するCO2「2010年度比 40%削減」を目指す。
  • 2050年までに、Well to Wheel で新車四輪車が排出するCO2「2010年度比 90%削減」を目指す。
事業活動CO2
  • 事業活動から排出されるCO2量の削減
    (生産活動)2016年度比 25%削減
    (物流活動など)売上高当たりのCO2排出量2016年度比 9%削減など
  • 2030年までに、事業活動から生じるCO2を販売台数当たり原単位で「2016年度比 45%削減」を目指す。
  • 2050年までに、事業活動から生じるCO2を販売台数当たり原単位で「2016年度比 80%削減」を目指す。
大気保全
  • 大気汚染の抑制
    (四輪・二輪・船外機)各国/各地域の状況に応じたクリーンな製品の導入と普及を通じて大気環境の改善に貢献する。
  • VOCの抑制
    (生産活動)塗装面積当たりVOC排出量2000年度比 50%以上削減など
  • 2030年までに、
    • -事業活動における化石燃料の使用を削減し、再生可能エネルギーの利用を拡大する。
    • -クリーンな製品の開発を推進し、各国・地域の大気改善に貢献する。
    • -生産や製品から生じる揮発性有機化合物(VOC)を削減する。
  • 2050年までに、事業活動や製品から排出される大気汚染物質を最少化する。
水資源保全 水資源の保全
(生産活動)
  • 《水量》グローバル四輪生産台数当たり使用量 2016年度比 10%削減
  • 《水質》規制よりも厳しい自主基準値の排水管理を継続する。
  • 2030年までに、スズキを取り巻く水リスクを特定し、全生産拠点で取水削減と排水浄化を実施する。
  • 2050年までに、水環境への負荷を最小化し、持続可能な水資源利用を実現する。
資源循環
  • 環境配慮設計の促進
  • 自動車リサイクルの推進
  • 電池3Rの推進
  • 廃棄物の低減
  • プラスチック梱包材の削減
    船外機関連資材のプラスチック使用量削減 2020年度比 12t削減など
  • 2030年までに、
    • -自動車リサイクルシステムのグローバル展開を目指す。
    • -電動車の駆動用二次バッテリーのリサイクル、リビルド、リユースを推進する。
    • -グローバル生産拠点で廃棄物発生量を低減する。
    • -プラスチック梱包材を削減する。
  • 2050年までに、日本で培ったリサイクル技術やシステムをグローバル展開し、生産活動および製品から生じる廃棄物の削減と再生利用、適正処理を推進する。

環境計画

スズキ環境計画2025

スズキは「スズキ地球環境憲章」に基づき、美しい地球と豊かな社会を次の世代に引き継ぐために、2012年度に「スズキ環境計画2015」、2016年度に「スズキ環境計画2020」を策定し、達成に向け取り組んできました。そして、2021年度からは新たに「スズキ環境計画2025」を策定し、「スズキ環境ビジョン2050/マイルストーン2030」の実現に向け取り組みを推進しています。
スズキは事業活動などに伴い発生する環境への影響を真摯に受け止め、環境に配慮した製品開発を行い、環境への影響を低減する事業活動を推進することを最重要課題と考えています。次の100年も社会に貢献し続け、持続可能な企業であり続けられるよう、国内外の関連会社も含めた「チームスズキ」でスズキ環境計画2025に取り組んでいきます。

気候変動

中項目 具体的な実施事項・目標 2024年度 主な実績
製品からのCO2の削減 【四輪車】
  • 2010年度比 30%削減(販売台数当たり)
2010年度比 30.1%削減(グローバル平均)
【二輪車】
  • 2010年度比 15%削減(販売台数当たり)
2010年度比 15%削減(販売台数当たり)
【船外機】
  • 2010年度比 15%削減(販売台数当たり)
2010年度比 16% 削減
(単位出力当たりのCO2排出量)
事業活動からのCO2の削減 【生産活動】
  • 2016年度比 25%削減(生産台数当たり)
2016年度比 27.7%削減 (0.234t-CO2/台)
【開発/販売活動など】
  • カーボンニュートラルに向けた省エネ設備や太陽光パネルの導入などによる省エネ活動の積極的な推進
  • 技術部門各拠点における、設備の高効率化、照明のLED化を推進
  • 国内の非製造会社4社、販売会社56社における、「地球温暖化の抑制に向け、節電や省エネ設備の導入などによる省エネ活動を積極的に推進する」を共通目標としたエネルギー使用量の把握と省エネに向けた取り組みを実施

※非製造会社4社:スズキ輸送梱包株式会社、株式会社スズキ納整センター、株式会社スズキビジネス、株式会社スズキエンジニアリング
販売会社56社:株式会社スズキ自販東京など直営国内販売代理店54社、株式会社スズキ二輪、株式会社スズキマリン

【物流活動など】

  • 輸送ルート/荷姿の見直しなどによる輸送効率の向上
  • エコドライブ支援機器の導入や輸送車両の燃費向上
  • 鉄道輸送への利用促進(モーダルシフト)
  • スズキ国内輸送活動全体のCO2削減
    売上高当たりのCO2排出量 2016年度比9%削減
  • トラック輸送の一部を船舶輸送にモーダルシフトすることによるエネルギー使用の効率化
  • 海外向け製品の内陸輸送距離短縮によるエネルギー使用の効率化
  • 国内向け製品の出荷ルート見直しによる輸送距離短縮と輸送エネルギー使用量の削減
  • 売上高当たりのCO2排出量:2016年度比 34%削減

大気保全

中項目 具体的な実施事項・目標 2024年度 主な実績
再エネの利用拡大 【生産活動/非生産活動】
  • 太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入推進
  • インドのマネサール工場への太陽光発電システム導入
  • 直営国内販売代理店の8拠点への太陽光発電システム設置
大気汚染の抑制 【四輪車/二輪車/船外機】
  • 各国/各地域の状況に応じたクリーンな製品の導入と普及を通じて大気環境の改善に貢献する。
【四輪車】
  • インドにおけるエタノール含有燃料(E20)認証取得を計画どおり推進中
  • 欧州における新規制EURO6e対応を計画どおり推進中
  • 日本における車載式燃料測定装置(OBFCM)搭載を計画どおり推進中
【二輪車】
  • 排出ガス低減への取り組みと、欧州EURO5規制および平成32年(令和2年)国内排出ガス規制への対応
    新型「DR-Z4S」「DR-Z4SM」におけるエンジン燃焼および触媒仕様の最適化による最新の排出ガス規制適合
  • スズキの二輪車におけるBEV世界戦略車第一弾「e-ACCESS(e-アクセス)」の量産開発と、インドにおける2025年5月の生産開始
    インドからの販売および各国への順次輸出開始予定
【船外機】
  • すべての4ストローク船外機について、日本マリン事業協会排気ガス自主規制、米国EPA※1規制、米国CARB※2規制および欧州RCD※3規制のクリア
  • 米国CARB規制における3STAR達成
  • ※1 Environmental Protection Agencyの略: 米国環境保護庁
  • ※2 California Air Resources Board の略:カリフォルニア州大気資源局
  • ※3 Recreational Craft Directive の略:欧州ボート指令
VOCの抑制 【四輪車】
車室内VOCの低減
日本で生産する新型車およびインドで生産・日本販売の「フロンクス」や「ジムニーノマド」における部品レベルでのVOC低減対応と、車室内VOC濃度の自動車業界の自主取り組み目標値未満の達成
【生産活動】
  • 国内工場塗装工程におけるVOCの削減
    塗装面積当たりVOC排出量
    2000年度比 50%以上削減
  • 2020年度比 35%削減
  • 2025年度に向けた新工場での水性塗料導入などによる目標達成への取り組み

水資源

中項目 具体的な実施事項・目標 2024年度 主な実績
水資源の保全 【生産活動】
《水量》
  • 各国各地域の水環境を考慮し、水使用量を低減する
    グローバル四輪生産台数当たり使用量
    2016年度比 10%削減
  • 国内生産拠点における水リスクの把握と対策を実施する
《水質》
  • 規制よりも厳しい自主基準値の排水管理を継続する
  • 河川に排水するすべての国内生産拠点で周辺河川の生物多様性評価を実施する
  • グローバル四輪生産台数当たり水使用量
    2016年度比 3.2%減少 前年度比 1.5%増加
  • 規制よりも厳しい自主基準値による排水管理の継続

資源循環

中項目 具体的な実施事項・目標 2024年度 主な実績
環境配慮設計の促進 【四輪車/二輪車/船外機】
  • リサイクルを配慮した開発・設計を継続する。
    • -解体性の向上
    • -リサイクル材を使用した設計
    • -材料リデュースを目指した設計
    • -熱可塑性樹脂部品の採用拡大
    • -リサイクルが容易な材料の採用拡大
【四輪車】
  • インパネ、内装トリムの熱可塑性樹脂使用の継続
    • ▶新型「スペーシアギア」「ジムニーノマド」「フロンクス」のインパネ、内装トリム樹脂部品へのリサイクル容易な熱可塑性樹脂の使用
【二輪車】
  • GSX-8T/8TTにおけるフレームカバーセンター、バッテリーホルダー、ヘッドランプカバーR/L、メーターカバーフロント、ヘッドランプアンダーカバー、リヤフェンダーフロント、リヤフェンダーリヤ、リヤフェンダーリヤリッド、リヤフェンダーロア、リヤフェンダーカバーR/L、フレームボディロアカバーR/L、カウリングボディサイドR/L、ヘッドランプカバーインナー、パネルメーター、アンダーカウルセンター、エアークリーナーの材料にリサイクル容易な熱可塑性樹脂の採用
  • DRZ-4S/4SMにおける、ヘッドランプハウジング、ヘッドランプカバー、フロントフェンダー、フロント フォークプロテクター、ラジエタールーバー、ラジエターカバー、タンクカバー、フレームカバーフロント、 フレームカバー、リアフェンダー、リアフェンダーエクステンション、マッドガード、バッテリーカバー、リッドカバー、エアークリーナーの材料にリサイクル容易な熱可塑性樹脂の採用
【船外機】
  • 25MY DF200/225/250のオイルパンカバー、エアインテークインナーカバー、チルトアップハンドルルーバーへの熱可塑性樹脂の採用
自動車リサイクルの推進 【自動車リサイクルシステム】
  • 各国事情に応じた廃車適正処理のスキームづくりを目指す・インドにおいて、廃車適正処理のモデル施設を稼働する
  • 各国の法規や実情に合わせた廃車処理(回収・リサイクル)を推進中
  • インドでは2021年11月稼働開始のELV事業を担う合弁会社を軸とした資源循環システムを推進中
電池3Rの推進 【使用済リチウムイオンバッテリー】
  • グローバルでの電動車普及を見据え、安全・効率的な電池回収・リサイクルのスキームを構築する
  • 自動車用小型電池のリユース実証実験を行い、安全・効率的な小型電池のリユースを推進する
  • EU電池規則を含め、各国の法規や実情に合わせた使用済みリチウムイオン電池の回収ネットワーク構築を推進中
  • 廃車から回収した小型リチウムイオン電池のソーラー街灯用電源に二次利用(リユース)技術の開発
    • ▶社内における湖西工場4基、横浜研究所2基の設置
    • ▶社外における静岡県磐田市アミューズ豊田1基の設置
    • ▶当技術を活用したサイネージ(看板)をスズキ自販浜松アリーナしのはらプラザ1基の設置
廃棄物の低減 【生産活動】
  • 廃棄物の再資源化を推進する
  • 廃棄物発生量の削減を推進する
  • 産業廃棄物の再資源化を継続
  • 産業廃棄物発生量のモニタリングの継続と削減活動を推進中
プラスチック梱包材の削減 【物流活動/販売活動】
《梱包材》
  • プラスチックの海洋投棄を防止するため、船外機を中心にプラスチック梱包材の使用量削減を進める
    船外機関連資材のプラスチック使用量削減
    2020年度比 12t削減
  • 2020年度比 42.6t削減(2024年度は△5.9t)
  • 梱包用資材の「石油由来のプラスチック材」から「生分解性素材・紙製素材」への変更によるプラスチック梱包材使用量の削減
【マリン】
  • 船外機においては、スズキクリーンオーシャンプロジェクトの3つの柱(水辺の清掃活動、梱包資材の脱プラ活動、海洋マイクロプラスチックの回収活動)をグローバルに推進する
清掃活動:2024年度累計参加者5,682人(年間参加者数過去最高)
脱プラ活動:梱包材全品番のうち約8割の脱プラ化完了
マイクロプラスチック回収装置:小中学生向けに環境教育の実施