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企業情報 > サステナビリティ > 【S】社会 / 人財の多様性

スズキでは、性別、年齢、国籍、人権、宗教、障がいの有無などのみならず、社員一人ひとりの個性や意思を尊重し、一人ひとりが仕事と生活の調和を図りながら、多様な働き方を通じて、能力発揮・能力向上で最大限に活躍できる環境整備と風土醸成に取り組んでいます。

女性活躍推進

これまで以上に女性が活躍できる会社となるよう、2020年からは、2025年の女性役職者数を2015年度の3倍にする計画を掲げ、管理職並びにその候補者を含む女性役職者数の増加に取り組んでいます。2023年度の女性役職者は2015年度比で3.4倍の182名まで増加し、計画を前倒しで達成しました。
一方で、女性管理職数は2023年度時点で25名(女性比率1.85%)となっています。将来的には女性管理職比率を女性従業員比率と同じにするため、まずは2030年までに女性管理職比率を5.0%とすることを目標とし、両立支援にとどまらず、キャリア形成支援に取り組んでいきます。また、自動車産業の女性比率が低いことも課題と捉え、生産工場をはじめとする社内のすべての職場が、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無などを問わず、すべての人にとって働きやすいものとなるよう、生産技術の革新、各種設備の更新による根本的な作業環境の改善等、働きやすさの実現にも取り組んでいきます。

女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画

1.計画期間

2020年4月1日~2025年3月31日(5年間)

2.課題

  • 管理職に占める女性の割合が低い
  • 管理職を含めた年次有給休暇の取得率が低い

3.目標

  • ① 2025年の女性役職者数を、女性活躍推進法施行前(2015年度)の3倍にする
  • ② 2025年の管理職を含めた年次有給休暇の取得率を2018年度より10%向上させる

4.取組内容

取組1:柔軟な働き方を促進するための既存施策を改めて周知し、活用の促進を図る

◆両立支援に関する教育(入社年次研修、階層別研修)

2020年上期~ 役職者に向けた理解促進教育の実施
若手社員に向けた両立支援施策の説明・利用促進の実施
2021年上期~ 新入社員に向けた両立支援施策の説明・利用促進の実施

◆両立支援に関する情報発信

2020年上期~ 育児休職者の職場復帰に向けた懇親会を開催する(年2回)
(両立支援制度の説明、先輩社員との座談会、育児休職者同士の情報交換、産後ケアに関する産業医からの情報提供、個別面談など)
2021年上期~ 両立支援に関する情報サイトの開設(社内ホームページ)

取組2:有給休暇取得促進の啓蒙活動の強化、取得促進策の検討を行う

◆有給休暇取得状況の周知及び取得促進

2020年下期~ 部門別の有給休暇取得状況を社内ホームページにて公表し、有給休暇の取得を促す
2021年上期~ 勤務記録システムの改修を行い、従業員それぞれが自身の有給休暇の取得状況を把握しやすくする

上記取組以外にも、

  • 女性社員の活躍をバックアップするための人材育成の強化
  • 女性社員が更に活躍できる基盤としての制度の拡充

など、これからも女性が能力を発揮し、活躍できる会社となるために、様々な取組を進めていきます。

両立支援

従業員が多様な働き方を選択できる制度をつくることで、意欲と能力を持った従業員が継続して働ける環境を整えています。また、職場全体でワークライフバランスへの意識を高め、「働きやすい職場」づくりを推進していきます。

短時間勤務制度(育児・介護)

小学生以下の子供を養育する従業員もしくは家族の介護を必要とする従業員に対し、本人の申し出により1日の所定労働時間を6時間または7時間に短縮する制度を導入しており、2023年度は355名が利用しました。

休暇・休職制度(育児・介護)

育児・介護に専念するための休職制度は、男女を問わず多くの従業員が利用しています。2023年度は395名がこの制度を利用しました。2022年4月からは、男性が育児参加しやすい風土とするために、従来の配偶者の出産時に2日間取得できる「配偶者出産休暇」に加え、子の出生から8週間以内に5日間取得できる「出生時育児休暇」を新設しました。2023年度の男性の育児休職取得者は289名(取得率63.1%)と着実に風土醸成が進んでいます。

ライフサポート休暇

付与後2年間の有効期限を過ぎた有給休暇日数は最大40日までストックすることができ、傷病、親や子供の介護、不妊治療、骨髄提供において利用できるライフサポート休暇制度を導入しました。

2022年くるみん認定を取得

次世代育成支援対策推進法に基づき、「子育てサポート企業」として「くるみん」の認定を受けました。

パパママ情報交換会

コロナ禍では開催を中止していたパパママ情報交換会を再開しました。パパママ情報交換会は、育児休職中の社員とその配偶者を対象にしており、育児休職からの復帰経験を持つ社員からの経験談や、社員同士の交流を通して、不安なくスムーズに職場に復帰でき、復帰後も気軽に相談できる体制を築くこと、共働きの子育てについて夫婦で理解を深めることを目的に開催しています。

小児科・産婦人科オンライン相談サービス

2023年4月から、妊娠、不妊、出産、子育て、女性の健康について「いつでもどこでも」「スマホからオンラインで」「専門家に」気軽に悩みを相談できるサービスを導入しました。日本にいる従業員・家族に限らず、駐在員や帯同家族の悩みが解消され、より一層安心して働ける環境となることを目指しています。

■「産婦人科・小児科オンライン」の概要

利用対象者 スズキの従業員とその家族
相談内容 女性の健康に関する悩み(出産、不妊治療、生理不順、更年期障害など)、子どもの健康や育児に関する悩み
相談方法 メッセージチャット、動画通話、LINE(メッセージチャット、音声通話、動画通話)

日本株式会社スズキ自販宮崎

株式会社スズキ自販宮崎では、従業員が仕事と育児・家庭の両立を図り、安心して働けるように、「子の看護休暇」や「短時間フレックス」の導入や「ノー残業デー」の実施による所定外労働の削減など、企業の実情や従業員の生活形態に応じた取り組みを行っています。2023年9月には、「子育てサポート企業」として「くるみん」に認定されました。
また、従業員がこれらの制度を理解し、活用して長く活躍し続けるため、2024年6月には、両立支援制度の勉強会を実施し、育児休職・介護休職や仕組みについて講義しました。

LGBTQ

スズキでは就業規則において、性的指向・性自認に関する嫌がらせ・差別的言動を禁止するとともに、全従業員に配布している「コンプライアンス・ハンドブック」でアウティングを取り上げ理解促進を図る等、従業員が「性の多様性」を理解し、受容する風土の醸成に取り組んでいます。また、ユニフォームの男女統一化や「誰でもトイレ」の増設も実施しました。

障がいのある方の雇用

人事部内に専任担当者、精神保健福祉士を配置し、定期的に個別面談を実施している他、職場にも障害者職業生活相談員を置き、障がいを持つ従業員の悩みや問題のケアを行うなど、長く安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。
2005年2月に設立した特例子会社「スズキ・サポート」は、事業をスタートして20年目を迎えました。2024年3月末現在で、障がいのある方(重度の障がいを含む)の社員数は79名となり、指導員と一体となってスズキ本社内事務所、社員寮、関連施設の清掃業務、社内の文房具管理業務、及び農園作業に携わっています。全員が明るく元気に働く姿は、スズキの従業員からも共感と喜びをもって迎えられています。スズキでは、スズキ・サポート設立の理念である社会貢献の一環として、障がいをのある方々が働くことのできる喜びや社会参加によって人間的成長を感じることができるよう、今後も障がいのある方の雇用に取り組んでいきます。

【株式会社スズキ・サポートの概要】

1.社名 株式会社スズキ・サポート
2.資本金 1千万円
3.出資者 スズキ株式会社
4.所在地 静岡県浜松市中央区高塚町300
5.設立 2005年2月
6.事業内容 清掃業務、文房具管理、農産物の生産業務
7.代表者 加藤 祐輔
8.従業員数 129名(うち障がい者82名)

流動性

人財の流動性や人手不足が加速している社会情勢において、スズキで働くことが魅力的であり、かつ個人の成長に繋がると感じてもらえるような会社づくりや職場環境整備に努めています。

キャリア採用

多様な人財を確保するべく新卒採用に加え、近年はキャリア採用に注力しています。2023年度は181名(前年度比172%(105名))を採用しました。また、社内に蓄積のない新しい分野の知見・経験をもった人財の方を対象に、既存の人事制度にとらわれない雇用形態を新設し、2023年6月より導入しています。

アルムナイ採用

スズキを退職された方を対象に「アルムナイ採用」に取り組んでいます。在職時の知見を活かし、社外で新たに学び得た知識や経験を持ち合わせ、慣れ親しんだ職環環境であるスズキで再び即戦力として活躍していただくこと、また、転職を経験したことにより、スズキの強み・弱みを再認識し、強みは伸ばし、弱みは改善することでスズキの更なる成長に貢献していただくことを期待しています。

リファラル採用

スズキに在籍している社員から知人・友人を紹介いただく「リファラル採用」に取り組んでいます。事前に社員がスズキのことを詳しく説明することで、応募者の方はスズキに対する理解が深まり、スズキを良く知った上で入社していただくことで、入社後の定着性向上に寄与すると考えています。

次世代技術開発に向けたデジタル人財の採用

CASEを始めとする次世代技術開発に必要なデジタル人財の確保が喫緊の課題となっています。日本国内のデジタル人財が不足する中、当該分野の人財を多数輩出するインドに着目し、2018年よりインド工科大学ハイデラバード校からの直接採用に取り組んでいます。(2024年4月時点 累計16名)またスズキが得意とするインド市場において、当社子会社のマルチ・スズキ・インディア社との人財交流で日印一体となって競争力の向上に取り組んでいます。

コミュニケーション環境
  • 日本人社員の英語力と外国人社員の日本語力の双方を向上させることにより、言語バリアによるコミュニケーション不足を低減。
  • 会社からの通達や各種案内、社内システム、掲示物などにおける英語表示対応を順次拡大。
  • 社内のIT環境の一つとして多言語翻訳ツールを導入しており、読み書きの日常コミュニケーションを支援。
日本語教育プログラム 外国人社員へは、会社および社会における日常生活を自立して営む上で最低限必要な日本語能力を獲得する教育の機会と費用を会社が提供。
更に上級の日本語能力を目指す自己啓発も支援。
食と住の環境提供 食の面では、外国人の中で多数を占めるインド人は食文化の違いが大きいため、社員食堂で本格的インド料理を提供。
住の面では、自社寮において生活習慣の違いが大きい外国人の要望に配慮し、洋室仕様の部屋、ベジタリアン専用のキッチン、完全個室のシャワー室などを提供。
外部サービスの活用 生活や悩みに関する相談を受ける外部事業者と連携し、外国人社員に対するきめ細かいサービスを提供。

TOPICS鳥善とスズキ、外国人従業員の食環境向上に向けた協業を開始
— 本格的なインドベジタリアン料理をスズキ社員食堂に提供 —

ブライダルやレストラン事業を展開する株式会社鳥善(本社:静岡県浜松市、代表取締役:伊達善隆、以下「鳥善」)とスズキは、本格的なインドベジタリアン料理が簡易調理で提供可能になる給食事業者向けの食キットを開発し、スズキの社員食堂で提供開始しました。
スズキでは日本の技術部門を中心にインドをはじめとする外国人従業員が活躍しており、今後は高度人財を含む外国人従業員を増やしていく計画です。スズキは社員食堂でこれまでもインドベジタリアン料理を提供していましたが、このたびの導入により、外国人従業員が心身ともに充実した状態で意欲と能力を発揮し、活き活きと働けるような環境づくりをするため、食環境を充実させていきます。
今回のインドベジタリアン料理の導入を手始めに、外国人向けメニューを充実させ、働きやすい環境を整えていきます。
また、将来的には外国人労働者の食環境に課題を抱える全国の企業向けに、両社で外国人向け料理を提供するサービスを検討してまいります。
このたびの導入を記念して、インドベジタリアン料理の試食会がスズキ本社で開催され、中野浜松市長、鳥善 伊達社長、スズキ 鈴木社長が参加しました。

試食会
鈴木社長(左)、中野浜松市長(中央)、鳥善 伊達社長(右)

人的資本の可視化

部門ごとの業務を分解し、業務の流れと必要となるスキルを見える化し、社員一人ひとりが業務遂行に必要となるスキルを関係づけすることで、属人化されている業務が可視化され、自部門の人財配置状況を把握した上で、欠員を見こした補充や育成計画を明確にします。目標チャレンジや職能育成面接時に上司と部下との対話をとおして育成計画やキャリアパスと実績を共有し続け、個の成長を促進・評価して、組織の成長・増強につなげます。将来的には各部門で作成した「タスク分解表(スキルマップ)」を人事データとして人財基盤システムに取り込み、人的資本状況の把握、採用と配置、リスキリング、タレントマネジメント等に活用していきます。

サクセッションプラン

当社は持続的な企業成長を目指し、次世代リーダー(役員、本部長、部長)のサクセッションプラン策定に取り組んでいます。2024年4月の人事制度改革に伴い役職ごとに求められる能力要素、人物・行動要件を定義し、役職者の役割を明確にしました。また、幹部級・管督級の人財プールを設け、組織のマネジメントを担うポスト長への配置をフレキシブルに行っています。役職昇進は上司からの推薦だけでなく人事部門が考える後任候補者リストを参考に、経営会議にて社長を始めとする経営幹部が意見を出し合って決定しています。今後は管理職を対象とした多面評価を行い、あらゆる側面からリーダーとしての適性を見極め、適切な人財配置及び人財育成に取り組んでまいります。

部門人事

三現主義の考え方のもと、現場の困りごとを現場により近くで正確かつ迅速に対応するため、2023年より四輪技術部門と生産部門に人材開発本部から独立した部門人事を新設しました。従業員個々の困りごとや相談ごとを一緒になって解決することはもちろんのこと、若手社員と役員・本部長が直接対話する座談会を実施するなど、現場の声を拾い上げて職場改善・問題解決に繋げる活動をしています。

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