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人材・人的資本に関する基本方針

スズキの社是は企業の社会的使命を果たすことへの努力目標(製品づくり)、自分が所属する会社という組織に対する努力目標(会社づくり)、自分自身に対する努力目標(人間づくり)として、スズキグループの全従業員が理解し実践すべき三つの努力目標を掲げています。この努力目標に基づき、社長自らが「人材開発は会社の一丁目一番地」との思いで、先頭に立って人材開発に関する諸改革をリードし、2022年10月には組織体制を人事総務本部から人材開発本部へと改編し、社是や行動理念を体現できるスズキらしい人間づくりに注力しています。
そして社会的使命であるカーボンニュートラル社会の実現、CASEと呼ばれる100年に一度の大変革期においては、従来の自動車メーカーのままでは到底達成できない大きな変化に対処するために、新しいことに果敢に挑戦する人材、新たな発想を生み出す多様な経験・価値観を持つ人材、高度な専門性を持つ人材、グローバルに活躍できる人材など、多様な人材を採用、育成することに努めています。
また、社是にあるとおり、高い目標への挑戦と自身の努力を促す風土醸成により、一人ひとり個性の異なる人材が共通の目標に向かって能力を発揮し、より付加価値の高い成果を創出し、働き甲斐・やりがいを感じながら、活き活きと働き続けることができる会社づくりに取り組んでいます。
直近では、これまで以上に社員の声を吸い上げ、労使で丁寧な対話を重ね、抜本的に人事制度の変更、大胆な業務改廃・働き方変革、労働諸条件の改善など、人事総務諸施策の改革を進めて、社員一人ひとりがスズキで働いて良かったと思える会社にしていきます。

社内教育システム

スズキの教育制度は、集合教育・職場内教育・自主的能力向上の3つの柱で構成されています。教育担当部門である「スズキ塾」では、社是に示された理念に基づき、階層別教育をはじめとする全社横断的な教育を行うとともに、技術・生産部門などと連携し、業務遂行上必要となる知識・技術を習得する職能別(基礎)教育を実施しています。

人材育成の考え方

「新入社員から若手社員までの基礎能力向上」「階層別にフォローアップしながら計画的、継続的に学ぶ。」の考え方のもと次のような研修を実施しています。

① 新入社員から若手社員までの基礎能力向上研修

入社2年目~7年目までの若手社員に対して、各入社年次別に社会人の基礎から、チームづくりまでを段階的に学ぶ機会を提供しています。

② 役職者を計画的に育成するための研修

新任役職者研修、フォロー研修により、継続的に学ぶ機会を提供しています。

職能別教育においては、個人の特性に合わせ必要なスキルを明確にし、そのスキルを計画的に習得するための研修を企画・実施しています。
また、研修の実施にあたっては、働き方改革の一環として従業員の働き方の多様性の中で、従業員が効率的な学びの機会を得られるようオンライン研修を拡大しています。

■2022年度研修データ

単独従業員数
(2023年3月31日時点)
16,550人
研修受講人数(延べ) 74,800人
従業員一人当たり研修関連費用 26,100円

※研修関連費用は職場内教育費、社内の人件費、施設運営費等を除く

■教育体系

人材育成の新たな取り組み

問題解決手法の導入

業務遂行において表面的な原因分析と拙速な対処が散見され、業務の手戻りやムダな作業が発生しており、工数不足に拍車をかけていました。問題の真因特定とその解決力を向上させ、従業員一人ひとりの課題解決能力向上を図るべく、2021年6月より全社共通の問題解決手法の導入を開始しました。プロジェクトチームで同手法の展開と浸透・定着を図っており、2022年度からは全社研修においても取り入れています。

スタートアップ企業への派遣

スズキ本来の「困難に立ち向かい自ら切り開く起業家精神」に立ち返り、視野・知見を広げ、従業員一人ひとりが社外へのアンテナを高めることを目的に、若手人材のスタートアップ企業への派遣を開始しました。国内では、2020年より株式会社エムスクエアラボへ、また2022年8月より株式会社SkyDriveへは、『空飛ぶ車』を、四輪・二輪・マリンに次ぐ新たなモビリティ事業の一つとするために、種をまき、育成することを目的に派遣しています。海外では、デジタル化が急速に進んでいるインドに、2022年11月よりSIC(スズキ・イノベーション・センター)を通じて社内各本部の若手を派遣し、人々の日常にある課題解決を目指し、インド工科大学の学生とスズキ従業員とがアイディアを出し合いITプロダクトを開発、社会貢献につなげるイノベーション創出活動を開始しています。

インド人材の能力発揮

CASE対応を始めとする新分野については主に日本で取り組み、一方の既存領域についてはインドに移管を進めています。これまで以上にインド人の教育を進めるためにも、マルチ・スズキ・インディアを始めとする現地のインド人材と日本人材が混然一体となって業務に取り組むことで、インドの開発能力を向上させ、スズキ全体の競争力も向上させています。

シリコンバレー研修

2017年9月よりシリコンバレーにて、問題解決手法『デザイン思考』を学び、失敗を恐れず挑戦する“ベンチャー精神”の体得を目的で派遣を開始しました。スズキの社是の精神である『お客様のために』を体現している現地スタートアップ企業から学ぶべく、これまでに16回、延べ173名をシリコンバレーへ派遣、コロナ感染症拡大以降はオンラインによりさらに10回、延べ103名に対し研修を実施しました。社長自らも参加するなど、役員から若手に至る多様な役職・階層が研修に参加し、研修の後現地で学んだデザイン思考や、失敗を恐れず挑戦するマインドセットを日々の業務や新規プロジェクト、人材育成に活かしています。

デジタル教育

デジタルを活用して課題を発掘・解決する動きが急激に加速しており、スズキにおいてデジタルに関するさまざまな取り組み・意思決定が急増していることから、役員・本部長をはじめ全社員に、デジタルの目的・リテラシー・知識・スキルを具備できるように取り組んでいます。

<デジタル教育の主な取り組み>

  • (1)経営層自らが意識ではなく行動を変える(例:紙資料からデジタル資料へ)
  • (2)Simple Work!というスローガンでのデジタルを活用した間接業務50%削減
  • (3)データドリブン経営を目指し基幹業務システムの刷新(ERP導入)
  • (4)データ活用を促進するための全社教育の実施
  • (5)あらゆる顧客接点で当社とお客様がつながり、お客様のニーズにこたえる
  • (6)デジタル化対応のスピード向上のために、社内でデジタル化内製人材の育成・配属

キャリアアップのための取り組み

困難な目標への挑戦こそ、自らを成長させる道であり、それこそがスズキのDNAと考えます。めまぐるしく変化する市場環境に対応するため、社員一人ひとりが高い目標を設定し、より高度な専門能力の修得に向け、挑戦していかなければなりません。スズキでは、このような個人のチャレンジ精神をバックアップする人材育成を実施しています。

目標チャレンジ制度

業務の遂行にあたり、上司からの業務指示を受けるだけでなく、自らの業務について自主的に目標を設定し、チャレンジすることこそが自己を向上させる道だと考えます。スズキでは、高い目標を掲げ、それにチャレンジする仕組みとして目標チャレンジ制度を導入しています。半期ごとに本人と上司が話し合って今後半年間の目標を立てることで、組織の目標を達成するために自分が貢献できることがより具体的になり、本人の仕事への意欲向上につながることに加え、上司が本人の目標達成度を適切に評価し、本人の能力開発のための指導育成ポイントを的確に把握できるという効果が期待されています。
また、スズキの人事制度は、年功序列から脱却した職務重視の人事制度で、スズキのさらなる成長を担うプロの人材育成を図るとともに、人事処遇の仕組みを仕事、役割、責任と成果に応じた客観性・納得性の高いものとしています。職務重視の人事制度と目標チャレンジ制度により、従業員のキャリアアップを会社が後押ししています。

自己申告制度

年1回、自らの仕事と能力を振り返ることで、自己の強み・弱みを再確認し、能力開発につなげるとともに、将来チャレンジしたい仕事や部門をキャリアプランとして描き、その内容を上司と人事部門に申告する制度です。申告内容は、人材育成と人材の適正配置の基礎資料として、活用しています。

ローテーション制度

従業員の知識、技術力の向上並びに組織の活性化を目的として、技術職、事務職、営業職の若手従業員は、入社10年間で全員他部門への異動を経験することを目標に掲げ、全社的規模で異動計画を作成し、計画的な人材ローテーションを実施しています。

海外研修プログラム

2015年度より、グローバル人材の育成を目的に、若手従業員を対象に、海外の関係会社への「6ヵ月間の海外研修出張派遣」を実施しています(2015〜2022年度累計36名、2020年度・2021年度:COVID-19の影響により未実施)。

語学力向上プログラム

従業員の語学力の向上を目的に、会社は次の通り支援を行っています。

  • 受験料は会社負担でTOEICを受験できる仕組みを導入
  • オンラインの英会話講座などを開講して修了者には受講費用の一部を会社が助成

日本国内販売代理店

販売代理店では女性ならではの目線で「より良いお店作り」や「よりよい会社づくり」を行うため、女性社員による取り組み「女子改」が実行されています。
女子改は、お客様へのCS向上(お客様満足度向上)を図ることを目的とするもので、この取り組みを通して社内の5Sの徹底、イベントの提案等さまざまな活動が実施され、また、同時に女子社員の積極性や行動力の他、創造力や考察力の育成が図られています。

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