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  スズキ環境ビジョン2050 マイルストーン2030
資源循環 2050年までに、日本で培ったリサイクル技術やシステムをグローバル展開し、生産活動及び製品から生じる廃棄物の削減と再生利用、適正処理を推進する。 2030年までに、
  • -自動車リサイクルシステムのグローバル展開を目指す。
  • -電動車の駆動用二次バッテリーのリサイクル、リビルド、リユースを推進する。
  • -グローバル生産拠点で廃棄物発生量を低減する。
  • -プラスチック梱包材を削減する。

基本的な考え方

世界人口の増加や新興国の経済成長に伴い、世界中で天然資源の消費量が増加しています。このままでは、大量採掘による資源枯渇や、大量消費されて増加した廃棄物による環境汚染の深刻化を招く可能性があります。特に、電動車の駆動用二次バッテリーに使用されている希少金属等の有用資源は、将来的な資源の枯渇が強く懸念されており、循環利用することが求められます。また、使用済み自動車の処理に関する制度構築が不十分な地域では、車両や部品の不法投棄・不適正処理につながりやすいため、危険物質の漏出による環境汚染や健康被害など、さまざまな問題が生じることが懸念されます。こうした状況に鑑み、スズキは自社製品に関わる取り組みだけでなく、使用済み自動車から再生資源を環境に負荷をかけず、安全に回収・処理する仕組みづくりにも注力していきます。

製品使用に対する取り組み

設計・開発における取り組み

リデュースにおける取り組み

材料リデュースを目指した設計の継続

“3R”で最初に推進すべき項目は、リデュース(排出量削減)です。このため、スズキは「小・少・軽・短・美」の方針のもと、徹底した使用材料低減・軽量化に取り組みリデュースを推進しています。
例えば、外装部品では、フロント/ リヤバンパーやフロント/ リヤフェンダーライニングの薄肉化を実施しています。

資源の有効利用

植物性樹脂(バイオポリカーボネート)の利用

スズキでは、植物由来のイソソルバイドが主原料であるバイオポリカーボネート樹脂(以下、バイオPC)を自動車部品に採用することで、脱石油原料の利用による資源の有効利用に貢献しいています。バイオPCは、発色性が良く、樹脂材料を着色することで、塗装並みの外観を有しています。そのため、塗装工程の廃止によるCO2、およびVOCの削減が可能です。
2014年の初代ハスラーの内装カラーパネルを皮切りに、ラパン、スペーシア、ワゴンR、ジムニー、スイフト、クロスビー、2代目ハスラーの内装部品に採用されました。初代のハスラーに採用されてから、耐衝撃性を改善した第二世代、耐衝撃性と外観性を両立した第三世代の材料を開発して、採用機種を拡大してきました。2021年には、ヨーロッパで販売されるS-CROSSのフロントグリル(外装部品)、2023年度には、スペーシアのルーバーガーニッシュ、ステアリングガーニッシュに採用されました。全機種合わせると2023年度実績で257t/年使用されています。
スズキは、今後も着色樹脂材料、成形、金型技術を使い、採用機種を拡大していきます。

スペーシア

S-CROSS

リサイクルにおける取り組み

リサイクル可能な樹脂材料の採用

リサイクルのことまで配慮したクルマづくり(リサイクル設計)は、自動車の設計を行う上で大切な取り組みです。
スズキは樹脂製の外装部品や内装部品にリサイクルしやすい材料を使用する等、環境に配慮したクルマづくりに日々取り組んでいます。

■ 主なリサイクル可能な樹脂材料の使用箇所
(例:新型「スイフト」外装)

■ 主なリサイクル可能な樹脂材料の使用箇所
(例:新型「スイフト」内装)

リサイクルを考慮した設計

新車の設計開発段階よりリサイクル性を考慮し、解体及び分離が容易な車両づくりに取り組んでいます。

軽量化に考慮した開発・設計

新型GSX-8Sにおいて、最適なパイプライン、パイプサイズを採用することで、同一カテゴリの従来機種GSX-S750に対して、フレームを13% 、スイングアームを30%軽量化しました。
また、ホイールに関しても、形状と肉厚の見直しにより、同一カテゴリの従来機種GSX-S750に対して、前後合わせて2%軽量化しました。

リサイクル可能な樹脂材料の採用

二輪車の設計開発においてリサイクルに配慮した取り組みを行っています。
新型「GSX-S1000GX」では、リサイクルが容易なPP樹脂材料を下記外装部品で採用しています。

新型「GSX-S1000GX」

Topicsスズキ、サステナブル素材「セルロース」を使用したジムニーデザインのマグカップを新発売

スズキは、セルロースを使用したジムニーデザインのマグカップを6月27日より公式ECサイト「S-MALL」にて販売しました。
スズキが提供する純正アパレルグッズのラインアップにおいて、セルロースの採用は初であり、またサステナブル素材の導入も本製品が先駆けとなります。
セルロースとは植物の主成分の一つで、紙の原料としても使われています。再生可能で分解性が高いため、環境負荷の低減に貢献する素材として注目されています。セルロースを原料とした繊維(セルロースファイバー)は軽量かつ耐久性に優れ、エコフレンドリーな製品づくりに適しています。
スズキはセルロースの価値と可能性に共感し、日常で使いやすいアイテムとしてジムニーユーザーやアウトドアユーザーをはじめとする幅広い層に向けて本製品を提供します。デザインは当社デザイナーが手掛け、こだわりが詰まったアイテムです。
スズキは、今後もサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを積極的に継続し、環境に配慮した製品開発に注力します。

詳細情報

商品名 セルロースECOマグカップ ジムニー
価格 1,650円(税込)
デザイン 3柄(サイ・フロント・サイド)

セルロースを使用したジムニーデザインのマグカップ(全3色×3柄)

カップ裏面

使用済み製品に対する取り組み

使用済み製品の引取・再資源化における取り組み

リユースにおける取り組み

補修用リビルト部品(再生部品)

資源の有効利用とお客様の経済的負担軽減のため、オートマチックトランスミッション、CVT のリビルト部品の取り扱いを行っています。

※リビルト部品は、交換修理の際に取り外された部品を回収し、消耗・故障部分の交換及び完成検査を行って再生した部品です。

使用済みリチウムイオンバッテリーのリユース技術開発

2012年9月発売のワゴンR以降、マイルドハイブリッド車に搭載されているリチウムイオンバッテリーのリユースを推進するため、廃車から回収した使用済みリチウムイオンバッテリーをソーラー街灯用電源に二次利用(リユース)する技術を開発しました。
これまで使用済みとなったリチウムイオンバッテリーは余寿命を残したまま処分されていましたが、この技術開発により廃車10台分のバッテリーを1基のソーラー街灯の電源としてリユースすることを可能としました。
現在、社内2拠点(本社、マリン技術センター)に本街灯を合計12基設置済みです。今後は順次、社内を中心に設置場所を拡大していく予定です。
本技術は将来、発生量が増加する使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用に道を開くものです。まずはマイルドハイブリッド車搭載リチウムイオンバッテリーのリユース技術と仕組みを確立し、HEV、BEV用リチウムイオンバッテリーのリユース取り組みへ繋げていきます。

リサイクルにおける取り組み

国内のリサイクル法の取り組み

・自動車リサイクル法の取り組み

2005年1月に施行された自動車リサイクル法※1に従って、使用済み自動車より発生するシュレッダーダスト(ASR※2)・エアバッグ類・フロン類の三品目を引き取り、再資源化等を行っています。
2023年度(2023年4月〜2024年3月)は次の通り実施しました。

・ASRの引き取りと再資源化

ASR再資源化率は96.5%で、2015年度以降の法定基準値「70%以上」を2008年度より継続して達成しています。また、車両換算したリサイクル実効率は99.3%※3を達成しています。
ASRの引き取りと再資源化は、日産自動車(株)、マツダ(株)、三菱自動車工業(株)をはじめとする自動車メーカー等12社(2024年3月31日現在)で結成した自動車破砕残さリサイクル促進チーム「ART※4」を通じて、法規要件の遵守、適正処理、再資源化率の向上、処理費用の低減を目標に全国のリサイクル事業者と連携しつつ取り組んでいます。

■ ASR再資源化率とリサイクル実効率の推移

・エアバッグ類・フロン類の引き取りと再資源化等

エアバッグ類再資源化率は97.3%で法定基準値「85%以上」を2004年度より継続して達成しています。フロン類は69.5tを引き取り、破壊しました。エアバッグ類の引き取りと再資源化、及びフロン類の引き取りと破壊は、全メーカー等と共同で「一般社団法人自動車再資源化協力機構」を設立し、全国のリサイクル事業者と連携しつつ取り組んでいます。今後も、使用済み自動車のリサイクルを一層推進するため、リサイクルが容易な製品造り、省資源化と資源の有効利用、廃棄物の削減、リサイクル費用の低減、安定的なリサイクル体制の構築に向け、継続して取り組んでいきます。

  • ※1 自動車リサイクル法:正式名称 使用済み自動車の再資源化等に関する法律
  • ※2 Automobile Shredder Residue:自動車破砕残渣
  • ※3 解体・シュレッダー工程までで再資源化される比率約83%(2003/5合同会議報告書より引用)に残りのASR比率17%×ASR再資源化率96.7%を合算して算出
  • ※4 Automobile shredder residue Recycling promotion Teamの略

自動車リサイクルに関する取り組みや再資源化等の実績状況は、下記HPをご覧ください。
https://www.suzuki.co.jp/about/csr/recycle/index.htmll

海外のリサイクルの取り組み

インドでは、マルチ・スズキ・インディア社が使用済み自動車を適正に解体・リサイクルするため、法制化に先立って豊田通商グループと合弁会社MSTI(Maruti Suzuki Toyotsu India Private Limited)を設立し、2021年10月から廃車適正処理のモデル施設の稼働を開始しました。車両や部品の不法投棄を減らし、地球温暖化や土壌汚染・水質汚濁といった環境問題にも対応していきます。
EUでは、ELV(End-of-Life Vehicle)指令(2000/53/EC)や2023年8月に発効された電池規則(EU 2023/1542)に基づき、各国の法規や実情に合わせて廃車やバッテリー等の回収・リサイクルを含め、対応を推進しています。
また、自動車メーカーが共同で構築した国際解体情報システムIDIS(International Dismantling Information System)を通じて新型自動車の解体情報をタイムリーに処理業者へ提供しています。EUの「リサイクル可能率等による車両認証に関する指令(RRR指令:2005/64/EC)」では、リサイクル可能率95%以上を達成することが自動車の型式認証要件となっています。本指令の要求事項を満足させるため、材料データ収集や環境負荷物質確認等のシステムや体制について権限のある機関の監査を受け、2008 年8月に適合証明(COCom:Certificate of Compliance)を取得し、欧州で販売するすべての車についてRRR 指令の認可を取得しました。その後、改訂欧州RRR指令(2009/1/EC)に基づき権限のある機関の監査を受け、新適合証明(新COCom)を2011年10月に取得、以後2年ごとに更新し、新型車から改訂欧州RRR指令の認可を取得しています。

リサイクルの自主取り組み

・バンパーリサイクルの取り組み

資源の有効利用のため、代理店で修理交換時に発生する使用済みバンパーの回収・リサイクルを進めています。当初はバンパー形状のまま代理店から回収していましたが、2000年以降は全国の代理店(一部の代理店を除く)にバンパー破砕機を設置し、バンパーを破砕して回収しています。さらに2012年度にバンパー破砕機を新設・増設しました。これによりバンパー輸送時の容積は6分の1となり、効率の良い運搬を行うことで物流に係るCO2排出量を削減しました。現在、回収したバンパーは、フューエルフィラーホースカバー、サイドデッキインシュレーターカバーの他、バッテリーホルダー、エンジンアンダーカバー、フットレスト等の自動車部品にリサイクルしています。なお、2023年度は、7万4千本の使用済みバンパーを回収しています。

修理交換バンパー由来のリサイクル材を使用した部品の例

キャリイ フューエルフィラー
ホースカバー

キャリイ サイドデッキ
インシュレーターカバー

バッテリーリサイクル

・国内の「使用済みリチウムイオンバッテリー」の回収・リサイクル

低燃費化技術エネチャージ、S-エネチャージ、マイルドハイブリッド、ハイブリッド搭載車にはリチウムイオンバッテリーが採用されています。
スズキは、一般社団法人自動車再資源化協力機構を窓口としたリチウムイオンバッテリー無償回収システムの運用開始時に加入し、使用済みリチウムイオンバッテリーの回収・適正処理を行っています。
2023年度までの累計回収個数は27,300個になりました。「使用済みリチウムイオンバッテリー」の回収・リサイクルの詳細については、下記HPをご覧ください。
https://www.suzuki.co.jp/about/csr/recycle/traders/#area2

・海外の「使用済みリチウムイオンバッテリー」の回収・リサイクル

欧州では、リチウムイオンバッテリーを採用したマイルドハイブリッドシステム「SHVS」を搭載したイグニス、スイフト、ビターラ、S-CROSS等及びハイブリッド車を搭載したビターラ、S-CROSSを発売しています。
スズキは、EUの廃電池指令(2006/66/EC)、各国の法規や実情に合わせて使用済リチウムイオンバッテリー回収・リサイクル体制を構築しています。廃電池指令に代わり2023年に発効したEU電池規則(EU2023/1542)に則った回収・リサイクル体制にも対応していきます。
インドでは、「SHVS」を搭載したシアズ、エルティガ、XL6など発売しており、使用済みリチウムイオンバッテリーの回収・リサイクル体制をマルチ・スズキ社が構築しています。

「二輪車リサイクル自主取り組み」について

「二輪車リサイクル自主取り組み」は2004 年10 月より開始し、国内二輪車メーカー4 社及び輸入事業者3社(2023年7月現在)が参加して、日本における二輪車の流通実態に即したリサイクルシステムを構築し、使用済み二輪車の廃棄・処理・リサイクルを行っています。また、2011年10月から、廃棄時無料引取を開始しています。廃棄二輪車はユーザーの利便性を考慮して全国の「廃棄二輪車取扱店」や「指定引取場所」で引き取っています。その後、全国13ヵ所の「処理・リサイクル施設」に収集され、解体・破砕・選別を行い、可能なものはリサイクル素材として再利用され、廃棄物については適正処分されます。2023年度スズキのリサイクル率は重量ベースで97.8%となり、リサイクル率95%の目標を達成しています。

詳細は下記の各ホームページをご覧ください。

■ スズキ二輪車製品のリサイクル率推移(2010年度~2023年度)

「FRP船リサイクル自主取り組み」について

一般社団法人 日本マリン事業協会が自主的に取り組む「FRP 船リサイクルシステム」に主要製造事業者7 社とともに積極的に参画をしています。
高強度で大きい、寿命が長い、全国に広く薄く分布する等の製品特性による不適切な廃船処理を防止し、希望するユーザーの廃船処理を容易にするため「FRP 船リサイクルシステム」は2007 年から全国展開をしています。FRP 船リサイクルシステムは、指定引取場所に収集された廃FRP 船を粗解体した後、FRP 破材を中間処理場に輸送し、破砕・選別等を行い、最終的にセメント焼成することによりリサイクル(マテリアル・サーマルリサイクル)を行うものです。本システムは国土交通省の実証実験で検証されており、FRP 船の収集・解体・破砕を広域的に行うことにより、低コストでリサイクルシステムを実現しています。

※ FRP(ガラス繊維強化プラスチック)

詳細は下記の各ホームページをご覧ください。

事業活動における取り組み

生産における取り組み

■ 廃棄物等の流れ(単位:千t/ 年)

※廃棄物等:廃棄物と有価発生物を合わせたものをいう。

注:集計対象範囲は本社、磐田工場、湖西工場、大須賀工場、相良工場、浜松工場、金型工場

廃棄物の削減

廃棄物等総排出量

スズキ及び国内製造子会社の廃棄物等総排出量は151千t(前年度比109%)となり、国内を含めたグローバルの廃棄物等総発生量は、435千tになりました。また、バーゼル条約で定められている有害廃棄物は輸出入していません。

■ グローバル廃棄物等総排出量の推移

集計対象範囲
スズキ(本社、磐田工場、湖西工場、大須賀工場、相良工場、浜松工場、金型工場)、国内製造子会社4社、海外製造子会社(インド・インドネシア・タイ)6社

埋立廃棄物量

スズキ及び国内製造子会社の2023年度埋立廃棄物量は0.1tでゼロレベル化を達成、グローバルの埋立廃棄物量は5t(前年度比1.38%)でした。インドにて全廃棄物の再生処理を開始しました。グローバルでの埋立廃棄物量を大きく減少しました。
今後は、国内・海外拠点での埋立廃棄物量ゼロレベルの維持を推進していきます。

■ グローバル埋立廃棄物量の推移

※ ゼロレベル化の定義
  • 国内工場 + 金型工場:埋立廃棄物量が1990年度(24,675t)の0.5%未満であること。
  • 国内製造子会社:埋立廃棄物量が2002年度(1,370t)の0.5%未満であること。
【集計対象範囲】
スズキ(本社、磐田工場、湖西工場、大須賀工場、相良工場、浜松工場、金型工場)、国内製造子会社4社、海外製造子会社(インド・インドネシア・タイ)6社

オフィス活動等における取り組み

スズキ本社では、発生した紙類の廃棄物は焼却しサーマルリサイクル(熱エネルギーとして再利用)していましたが、2005年7月以降「事務書類」、「新聞・雑誌類」、「段ボール」の分別回収を徹底することでマテリアルリサイクルへと変更しました。2023年度は紙類を160tリサイクルしました。

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律への対応

スズキではプラスチック使用製品産業廃棄物等は2001年より100%再資源化等を行っており、今後も再資源化等100%の取り組みを継続します。
今後は、排出量の削減の取り組みに合わせ、分別徹底によりマテリアルリサイクルを推進し、原材料としてまたスズキ製品に活用できるような循環スタイルを目指します。

サプライチェーン等における取り組み

輸送における取り組み

リデュースにおける取り組み

船外機の製品及び補給部品梱包からのプラスチック削減

事業活動から生じるプラスチックごみを削減するため、2020年より船外機の製品および補給部品梱包からプラスチックを削減する活動を開始しました。この活動は、プラスチック梱包を①まずやめられないか?②減らせないか?③環境負荷の少ない材料にできないか?の優先順序で進められ、製品梱包資材では2021年9月より梱包資材の一部をプラスチック材から、レイヨン、紙、生分解性素材に変更しました。また、補給部品の梱包では2020年10月に活動を開始し、2024年3月までに合計1,605製品のプラスチック素材を紙、生分解性素材に変更しています。活動開始から2024年3月までの累計プラスチック削減量は、約64トンに達しています。

船外機補給部品梱包にはプラスチック代替資材として、生分解性素材と紙を採用
生分解性素材(左)と紙製素材(右)

船外機・製品梱包の①~⑦にプラスチック代替資材を採用

リターナブル容器の利用 ダンボール箱のリユース
<補給部品出荷用ダンボール等の梱包材重量削減>

補給部品の国内出荷用に、リターナブル容器の使用を進めています。また、国内部品センター向け使用ダンボールのリユース(再利用)を図りました。
2023年度は、全体の約35.6%に使用し、約176.6tのダンボールを削減しました。

リターナブル容器

リユースしたダンボール

リユース・リサイクルにおける取り組み

廃棄資材の再利用

補給部品の輸送中の破損を防ぐため、工場で発生する廃材を再利用し、緩衝材を製作しています。
2023年度は、約1.4tの廃ダンボールを再利用しました。

ダンボール再利用

梱包資材プラスチックの削減

補給部品の出荷で使用している梱包ポリ袋について、国内部品センター向けにリターナブル袋を使用してポリ袋レス化。また、植物由来で軽量なバイオマスレジ袋を導入して使用重量削減に図っています。
2023年度は2.8tのポリ袋使用重量を削減しました。

酪農廃棄物の資源化

スズキは、インドのカーボンニュートラルの実現に貢献する4つのバイオガス生産プラントの設置について、スズキ100%出資のSuzuki R&D Center India Private Limitedを通じて、National Dairy Development Board(全国酪農開発機構)及びアジア最大規模の乳業メーカーであるBanas Dairyの3者間で合意しました。
インドは牛が多く、酪農廃棄物の牛の糞尿からは100年間で比較するとCO2の28倍の温室効果を持つメタンが大気中に放出されています。このメタンの大気放出を抑制し、牛の糞尿を原料とした自動車用燃料(バイオガス燃料)の製造・供給事業へ挑戦していきます。
このバイオガス燃料は、インドCNG車市場シェアの約70%を占めるスズキのCNG車に使用することができるカーボンニュートラル燃料です。加えてバイオガス発生後の残渣は有機肥料として利用でき、有機肥料の促進にも貢献できます。
この取り組みをインド全土に展開することで、メタンの大気放出抑制や廃棄物の資源化だけでなく、農村地域の活性化や新たな雇用の創出、カーボンニュートラル燃料の普及、エネルギー自給率の向上、循環型社会の形成といった社会課題解決にも貢献できると考えています。また、将来的にアフリカやASEAN、日本の酪農地域など他地域に展開することも視野に入れています。
インド自動車産業のリーディング企業であるスズキが、新興国のカーボンニュートラルと経済成長に貢献することは、先進国と新興国が協調してCO2排出量を削減するパリ協定の趣旨にも合致するものであり、全世界のステークホルダーに対して貢献できると信じて取り組んでいきます。

Topicsスズキ、船外機の完成品梱包において石油由来プラスチックを削減
— 生分解性素材「Green Planet®」と段ボールを組み合わせて課題解決 —

スズキ株式会社は、石油由来プラスチックを削減するため、船外機の完成品梱包の緩衝材に使用する発泡スチロールの代替材として「Green Planet®」(以下、Green Planet)を採用しました。Green Planetは株式会社カネカが開発した100%バイオマス由来の海洋でも容易に分解される生分解性ポリマーです。
発泡スチロールの代替材への切り替えにおいては、梱包輸送中における従来の発泡スチロールと同等の緩衝性能が必要でした。そこでスズキはGreen Planetの緩衝性能を補うため、段ボールの組仕切り形状の2層構造を開発し、従来の発泡スチロールと同等の緩衝性能を確保しました。
スズキは、海洋プラスチックゴミの環境問題に取り組むため、2020年に「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」を立ち上げ、梱包資材のプラスチック削減を進めてきました。
その結果、日本で生産される船外機完成品梱包における石油由来のプラスチック使用量は、2020年度で年間43トンでしたが、2023年度は年間6.3トンまで削減しました。2026年度までに使用量をゼロにすることを目指しています。
また、船外機の梱包緩衝材を手始めに、全製品の梱包資材の転換を図ります。
これからもスズキは、環境負荷の軽減を図り、環境に配慮した取り組みやSDGs(Sustainable Development Goals)の達成に向けた取り組みを続けてまいります。

レポート目次

ESGインデックス